小林龍一さんの個展「FAMILIA」を観て ②
僕は現在、札幌で出版社を運営している。すでに20年を経ているのだが、今は芥川賞作家、丸山健二氏の作品集の出版に失敗し、出版社としてどん底の数年を過ごしている。もう潰れたかと思っている友人・知人も多いことだろう。
しかし我々は捲土重来を期している。この3年間、潰れかかった出版社を再生しようと社員全員が努力している。そこで僕は、ここ何十年か書き溜めてきたオリジナル作品を世に問うことに決めたのである。
作品は三十数本あり、未だに書き続けている。その内容も、それほど不様なものではないと考えている。何十年か前に書き始めた頃には、大手出版社の出版コンクールに応募したものだった。二冊出し、その二冊ともが二等賞だったのである。担当の編集者から手紙をもらい、楽しみにしたのだが駄目だった。
それが今回、80になったとたんにこの騒ぎなので、僕も少々迷っているが、しかし、倒産間際の出版社としては“新人”のような余裕がない。それで電子書籍で出版を始めたのだが、どうしても本の形で残してくれという声があり、そこで僕が各デザイナーの作品を見始めた、というわけなのである。
いずれにせよ、良いデザイナーに巡りあったと思っている。彼の作品を本の表紙にしているわけだが、それが小林さんのご迷惑にならぬよう、こちらも必死で頑張りたい。皆さまもどうぞご声援ください。
小林龍一 個展 | 家族
Ryuichi Kobayashi Solo Exhibition “FAMILIA”
会 期 | 2023年6月30日(金)- 7月10日(月)
時 間 | 11:00 – 17:00
会 場 | The JOHNSON STORE
住 所 | 札幌市中央区南1条西6丁目4-1 2F ROOM CURATION