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大学は必要か? ①

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大学は必要か? ①

 さて、今回は「大学」について話したいと思います。しかし僕が言いたいのは、大学の特徴やら有効性ではなく、日本人にとって果たして大学生活は必要かということです。現在でも、日本人の若者の60%近くが短大および大学に通っているそうです。

 僕は90%ほどの若い男女が大学受験に勤しんでいると思っていただけに、何となくほっとしています。データによると、韓国やアメリカでは95%を超えているとか。また中国が20%台と言うから面白いですね。90%以上もの若い国民が大学へ行くとなると、大学院クラスはどうなのか? アメリカでは、大学院卒の資格を持つ若者が道路堀りをしているというニュースをかつて聞いたことがあります。

 大学院まで行って、道路の掘削員をやるというのはどんなものでしょう。大学院卒ではもはや大した意味を持たないのか。あるいはそれほどに景気が悪化していると言うことなのか。僕には適切な判断を下すだけの材料がないので、皆さんから教えていただければ幸いです。

 僕の例で言えば、僕は8年かかって大学を卒業しました。ただしそのうち半年は大学を中退し、下宿でブラブラしていたのです。そこで思い直して大学を受験し、それから更に4年半を経て、26歳で卒業しました。家内は2回目の入学時の同級生で、しかも僕より半年早く卒業したのです!

 いったいどうして卒業したくなかったのか、僕は未だにはっきりとはわかりません。ひょっとすれば、十代半ばから読みふけった太宰治のせいかもしれませんが、それも良くわかりません。とにかく世の中に出たくなかったのです。

 8年間で専攻も4度変えました。言語学、国際政治学、人類学、歴史学です。最後の歴史学で卒論を書いたものですが、それは前の3つの学問が生かせるだろうと考えたからでした。しかも僕は、卒論は英語で書くべしという決まりを無視し、日本語で仕上げたのです。落第なら落第で構わないという気分ですから、何の不安もありません。ところが、見事に合格したのです。やれやれ!

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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