山本光伸– Author –
山本光伸
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人生について
父の死に際 ②
父の死に際 ② 僕は愕然としました。何が何だかよくわからないままに、僕はタクシーを呼んで逗子から東京まで駆け付けました。愕然とはしたものの、僕は比較的冷静だったようです。親父はもう十分に生きたんだ、という思いが強く迫って来たのです。第二次大戦を生き抜き、男の子3人を妻とともに育てながら、文句一つ言わずに、家族に尽くしてくれた。親父さん、有難う! 僕にはその他の言葉が思い付かず、一時間ばかりの間、タクシーの中でその言葉をずっと繰り返していたのです。 -
人生について
父の死に際 ①
父の死に際 ① 鈴木邦男氏が亡くなり、彼のことを考えているうちに、僕は父が死んだ日のことを思い出しました。父は67歳で亡くなりました。ちょうど哲平が生まれ、僕たちも自宅を逗子に移して2年ほどが経った頃で、僕の自律神経失調症が始まったのもその頃でした。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ⑨
山本光伸の翻訳教室 ⑨ ☆訳者と読者 翻訳家は自分の訳した原文をどれほど覚えているものだろうか。個人差があって当然だが、私はほとんど覚えていない。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ⑧
山本光伸の翻訳教室 ⑧ ☆距離 文芸翻訳にとって大切なものは、原文と訳文との距離感だろう。初心者であればあるほどほどこの距離感に無頓着で、テキストが何であれ、自分のリズムでしか訳せない。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ⑦
山本光伸の翻訳教室 ⑦ ☆原作の香り 文芸翻訳家志望の方の中には、原作の香りを生かした翻訳をしたいと考える人が多いようだ。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ⑥
山本光伸の翻訳教室 ⑥ ☆automatically 私は副詞の訳し方がいちばん難しく、だからこそいちばん面白いと思っている。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ⑤
山本光伸の翻訳教室 ⑤ ☆文法について 乱暴な言い方かもしれないが、文法に拘る方で翻訳家として一本立ちした人を見たことがない。 -
翻訳
山本光伸の翻訳教室 ④
山本光伸の翻訳教室 ④ ☆文芸翻訳家への近道 言うまでもなく、近道などあるわけがなく、より“確実な道”と言い換えるべきだろう。 それは、自分で小説を書いてみることである。 -
人生について
損得勘定のいろいろ
損得勘定のいろいろ 先回、士農工商について書いたところ、賛成の意見を多々いただいた。ありがたいことだが、誤解もあるようなので、はっきりさせておきたい。 -
人生について
士農工商の復活?
士農工商の復活? 私は今こそ、士農工商の復活をと考えている。何を馬鹿なと目を剥く向きもあるだろうが、まあ、お聞きいただきたい。