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ダンスパーティー AFS アメリカ留学の思い出 #1

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ダンスパーティー AFS アメリカ留学の思い出 #1

 アメリカの高校で体験したことの一つに、女性が誘うダンスパーティがあった。この件に触れるのは六十年以上が経った今が初めてなのだからびっくりする。その時はこちらもちゃんと誘われたので文句もなく、忘れてしまっていたのだ。

 しかし考えてみれば、これは格別に意味のあることのように思われるのだ。僕は一年間アメリカにいて、ダンスで困るようなことはなかった。それはまあ、AFS生ということもあり、特別視されているのでダンスに呼ばれないと言うことは有り得ないだろう。

 僕はその一年間、ダンス・パーティだけでなく何があるにせよ、そのような特別待遇を受けることに慣れきってしまっていた。AFS生と口にするだけで、有難いことに、特別席がいつも用意されているようなのだ。

 しかし、ダンス・パーティは男性が申し込むもので、女性は待つしかないのだったら、こんなに苦しいこともないだろう。自分の意志を相手に告げる暇がないのである、男性には目いっぱいそのチャンスがあるのに、だ。

 僕はその時、七人の女性、それも見知らぬ方から招待された。しかし僕は、日本を出発する前から一人の女性に熱を上げており、他の女性とダンスに行くなど考えられもしないことだった。そして結局、その時も彼女とパーティに出席したのである。

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山本光伸プロフィール

 札幌で出版社・柏艪舎と文芸翻訳家養成校・インターカレッジ札幌を経営しています。
 80歳で小説家デビューを機にブログをはじめました。
 ロバート・ラドラム『暗殺者』、アルフレッド・ランシング『エンデュアランス号漂流』(新潮社)、ボブ・グリーン『デューティ』(光文社)他、訳書は200冊以上。

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