僕が好きな映画 ①
さて、この次は「映画」ですね、僕が話をしたいのは。僕は30代頃まではよく映画を見ていました。今でも映画評論は好きで、朝日新聞などでよく目を通します。でも、今はさっぱり見に行かなくなりました。時間がない、というのがその最も大きな理由ですが、どうもそれだけではないようです。
昔は外国映画ばかりを見ていました。取り分けイタリア映画に没頭しました。その後アメリカへ行き、帰国して人間改造!が始まりました。簡単に言えば、日本回帰です。それ以降、僕はほとんど外国映画を見なくなりました。いえ、もちろん何本となく見てはいますが、後に残ることがないのです。現在記憶に残っている外国映画は、シドニー・ポワチエの「夜の大捜査線」とグレゴリー・ペックの「アラバマ物語」という二本くらいです。
そして記憶に残っている日本映画は、「遥かなる山の呼び声」と「駅 STATION」の2本だけなのです。皆さんのにやりとする顔、あるいは怒っているような顔が見えるようですね。何だ、全然新しい映画が入ってないじゃないか。それに、2本とも高倉健こと、“健さん”の映画じゃないか、と。
いやあ、そうなのです。僕は本当に新しい映画を見ていません。僕の父や母はおそらく、一生に1、2本しか映画を見ていないのではないでしょうか。つまり、両親には娯楽として映画を見る暇と感性がなかったのでしょう。僕も実際のところ、彼らと似ているのかもしれません!
しかしやはり、それではいけませんね。僕が今、一番覚えている映画は、高校2年生の春、つまりアメリカへ留学する前に九州は佐世保で観た「大いなる西部」です。ただしこれは観た覚えがあるだけで、内容はさっぱりです。新聞や雑誌で映画欄を読むと、毎日新しい作品の解説や見どころが載ります。そのたびに、「あー、観たいな」と思うのですが、どうも足が運びません。それは歳を取ったからではなく、20代からそうなのです。何とかしなければなりませんね。